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ピエモンテ樽工房 GAMBA
 (・・・イタリアにいてもやはり師走は忙しいです。 更新がだいぶん遅くなってしまいました・・・。)

さて、今日はピエモンテ州モンフェラート地方にある樽工房ガンバについてご紹介しましょう。

樽工房 ガンバ

ガンバは、19世紀末から樽製造業を営んでいる家族経営の会社です。現在はバリークを年間約1万樽と大樽を約370樽生産しているそうです。
バリークとは通常225−250ℓの樽を指しますが、ここでは750ℓくらいまでの大きさの樽をそう呼びます。 いっぽう、大樽とは1200−1500ℓ以上の樽のことです。

この工房で使用される木材は、ほとんどすべてがフランスから輸入されているオーク材。工場の敷地内には、それらが整然と高く積み上げられています。こうやって最低3年間天日干しにし、木材が含む一番アクの強いタンニンが雨風で洗い流されるのを待つのです。

敷地内の材木の山

フランス製のオーク材は、樽の材料としてとても有名ですが、その栽培地域によって、ワイン熟成用に向いているものと、蒸留酒熟成用に向いているものとに分かれるのだそうです。たとえば、Limousin地方のオークはタンニンを多く含むので蒸留酒熟成により適しています。コニャックに近い森というのは偶然ではないのですね・・・。 ガンバが仕入れているオークは、Allier, Nievre, Cher地方からだそうです。

イタリアには樽製造用にオークを育てた森はありません。 フランスの国家資産(!)でもあるオークの森は、なんと1600年代にルイ14世の財政総監だったコルベールの指揮下で植林が始まり、現在もその当時定められた法律のまま厳格に管理されているのです。

でも歴史の本を紐解くと、コルベールの当初の意図は、ワイン熟成用樽の木材確保ではなく、当時欧州で大繁栄を誇っていたオランダの海運独占に対抗するため、フランスの海軍力を強化しようと、将来の軍艦大増産を睨んでオークの森を造成し始めたのだそうで・・・。 

フランスのこれらの森では、オークは木と木の間隔をかなり狭くとって植林されており、そうすることにより木は光を求めて上へ上へとゆっくりとまっすぐ伸びるのだそうです。 なので、地面から見て最初の枝が出る場所までの幹の高さが15−20mにもなり、まさにその“さら”な部分が樽用の材木として使われるのです。 幹の直径50cmの木に成長するのに約160年かかるそうです。逆に言えば、樹齢40−50年のオークでは樽にするには若すぎるのです。 

また、こんな風にまっすぐ伸びた木は、バリーク樽の材料として特定の大きさに製材されるとき、電気のこぎりで引かれるのではなく、楔を使って割られるのです。木目がまっすぐなので、パキーンと縦にきれいに割れた木板ができます。 もちろん、大樽の場合は製材する木材が大きすぎるのでそういうふうにはいきませんが・・・。

ガンバで生産されるバリーク(225ℓ)の値段は一樽約615ユーロ。このコストの大部分は原料、つまり木の値段からきています。というのも、上質な樽を作るためには、年輪の木目に垂直になるように割られた木板だけを使用するので、捨ててしまう部分が85%にもなるからです。 (大樽の場合はやや少なくなり65%) 下の図をご覧になって下さい。 表皮近くと中心部は使わず、切り出せる部分の中でも3,4,5,6だけしか使用しないのです。 



225ℓのバリークに使う木板の大きさは、高さ95cmで厚みが2,7cm。横幅は(説明してくださる方が言われませんでしたが、)だいたい10cmくらいです。工場の中でそれらが一つ一つ横並びに円状に組み立てられていく様子を見学しました。若い無口な職人さんでしたが、手さばきはさすがです。

バリークの組立て

そのあとは、樽の内側をトーストする工程です。これは私にとって今回の見学のハイライトでもありました。というのも、このトースト(ライト、ミディアム、ストロング)の程度によって、中で熟成させるワインに浸透するアロマやタンニンのニュアンスが変わってくるからです。

樽の燻し風景


 
大樽の製造場のほうへいくと、さすがに大きいので職人さんたちも二人がかりで作業をしていました。また機械を使っての作業も多くなります。

大樽組み立て風景

大樽用の材木を矯めるには、お湯に漬けて重石を載せるのだそうです。しかもその水は水道水ではいけません。というのも、水道水は塩素を含んでいるのでそれが樽に残り、ワインを熟成させたときにコルク臭などいらぬ異状の原因になるからです。 上質の樽作りには、様々なところで注意が必要なのですね。
これらの大樽はある程度使ったあと、内部の木の表面を削ればまた再利用できるのだそうです。

普段見ることのできない樽の製造工程を見て回ることができて大満足!ちなみに、写真では聞こえませんが、作業が始まったら工場の中はトントン、カンカン、キーンキーンと金づちや機械のいろんな音で大変な喧騒だったのですよ・・・!

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